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   メイドの感傷

「今日の新規客ヤバかったね」

「そうですねえ」

 ぷりんちゃんと顔を見合わせて笑う。メイドがご主人様の悪口を言うことは、世間のイメージよりずっと少ないのですが、今日はよっぽどのご主人様がご帰宅したのでしょう。ぷりんちゃんのタバコの消費も、いつもより早いです。

「やっぱいい歳してアキバのコンカフェ通うおじさんなんて、まともな人なわけないよね。風俗は行為がしたいわけじゃないから嫌とか、キャバはプロすぎるから嫌とか、ガルバは女の子がすれてるから嫌とか、知らねーよ。ずっと存在しない青春を引きずってさ、ただの中年がキモすぎる」

「そうですねえ」

 ぷりんちゃんの話にウンウンと頷く。

「メイドカフェって言ってるのになんで推しが席ついてくれないの、とかぷりんちゃん俺のツーショチェキのときだけ身体離してない? とか、まじでこっちに言われても知らんし! オメエだけじゃねえよどの客もキモイから近づいてねぇからってなる。たまに女の子が客に来た時はさすがに多少近くなってるけどさ、かわいい女の子とキモデブのお前に同じ接客態度取れるわけねえだろって」

「そうですねえ」

 お嬢様のご帰宅が嫌いなメイドはいません。

「……さくらちゃんは否定しないけど、さくらちゃんが自分から愚痴るとこ見たことないからなあ。こんな嫌なことばっかりある、私がメイド向いてないのかな……オタクも全然いないし……」

「そんなこと……」

「いいって、自分でも前から思ってたんだ。憧れだけで王道メイドに転生したけどさ、前世リフレ嬢なんてすれてるの事実だし、客との会話楽しくないし、バック少ないから給料も物足りないし。てか私が王道メイドに受かったのも、人手不足の時に運良く応募しただけだし。もうリフレ復帰しようかな。アキバのメイドがリフレに転生! ってなったら、箔も付くでしょ。そう考えたら、余計な回り道じゃなかったなって思えるわ。高校中退してるから、人生全部回り道だけどね」

 自嘲気味に笑うぷりんちゃん。ぷりんちゃんが自分でそう決めるなら私に止める権利はないですけど……。

「私は、ぷりんちゃんとのお給仕楽しいですよ。さくらも最初は推しのご主人様なんていなかったけど、頑張ってたら推してくれる人も増えたし、ぷりんちゃんもそうなると思います。無理にとは言いませんが、これからも一緒にお給仕できたら嬉しいです」

「さくらちゃん……」

 考え直してくれませんでしょうか。淡い期待を抱いて想いを伝えます。メイドらしく、優しくしかし凛として!

 

「いや、芋のさくらちゃんに言われても。てかさくらちゃんて雰囲気かわいいだけで顔はブスだよね。あ、性格がいいのは知ってるけど! さくらちゃんは顔が悪くて性格が良いからあとからオタクがついたんだと思うけど、私は顔が良くて性格が悪いからそれもキツいと思うんだよね。メイドやるんだったらさくらちゃんくらいの顔が丁度いいのかもね」

 

 気がついたら、ぷりんちゃんだった物体と、割れたシャンパンの瓶が転がっていました。うっかり手にかけてしまったようです。さくらはドジなメイドです。

 森や林までぷりんちゃんを運ぶ腕力はないので、とりあえず死体は解体し、肉をラップで包んで冷蔵庫にしまいました。これで明日の愛込めオムライスに使っていただけると思います。さくらは死体を処理することができて、ご主人様はメイドとずっと一緒になることができて、みんなが幸せになれますね。

 剥いだ皮や毛髪、骨、汚れてしまった制服などは、古くなって捨てる予定だったメイド服とともに、黒いビニール袋で包み、ゴミに出しちゃいました。妖精さんに声をかけられる前に仕事を終える、しごできメイドになった気分です。

 その日はそのまま締め作業を行い帰りました。翌日、お給仕予定だったのでその日もお店へ行きました。いつもより気合を入れてケチャップお絵描きをしたため、たくさんのご主人様がオムライスを頼んでくださいました。

 さらに翌日も、翌々日も、予定通りお給仕をしました。その頃には、冷蔵庫のお肉も新しいものが買い足されていました。

 当然ながら、ぷりんちゃんがお給仕に来ることは二度とありませんでした。メイドがお給仕予定も無視して飛んでしまうのはよくある事なので、特に騒ぎにもなりません。よろしくない慣習ですけどもね。全く、勝手なメイドばかりで困ってしまいます。推しのご主人様も多くなかったぷりんちゃんは、メイドボードからひっそりと名前が消されていました。

 今日、ぷりんちゃんが急に居なくなってしまったぶん、新しいメイドを雇うと妖精さんが言っていました。次はどんなメイドが来るのでしょう。今度こそ、長く続けてくださるといいですね。さくらはとっても楽しみです。

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ここまで会誌。

変わった女の子とそれに振り回される女の子の創作だわ。

学生の学校での創作だからこその原稿いっぱい書かせていただいて

めちゃくちゃ楽しかったです。

今年は多くの新会員さんもはいってくれて、本当にありがたい限りです。

サークル入ってよかったなってメチャ思います。

​397!

ここから自創作二次創作(?)

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次の会誌が最後!

​満足いくものをだして、悔いなく社会人になりたいですね。

​がんばります。

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